「家系ラーメン全店制覇への道」 8回目は、壱系総本山・「壱六家」創業当時の味をもとめて、「綱島商店」、「すずき家」、「らっち家」の3店舗を徹底レポート!
横浜市内の「家系ラーメン」店を全店調査するという壮大な企画「横浜の家系を全店制覇! ~家系図を作ろう~」。我々、家系プロジェクト本部では現在に至るまで18店舗を調査し、各店舗の歴史を紐解きながら味のレポートをしてきた。

IEK(イエケー)48総選挙では堂々の1位を獲得した寿々喜家
そこで今回より新たに新たな試みとして、取材時に食べてきた「家系ラーメンランキング」を発表していきたいと思う。採点は家系マイスターのマーコ氏とジロリアン・千葉の総合評価とし、下表はこれまで訪れた18店をもとに作成した、オススメランキングベスト10となる。
| 順位 | 店名 | オススメポイント | |
| 1位 | ― | 寿々喜家 | ・全てがパーフェクト!(マーコ) ・味のバランスが最高!(千葉) |
| 2位 | ― | 近藤家 | ・吉村家創業当時の味!(マーコ) ・家系の歴史が味わえる一杯!(千葉) |
| 3位 | ― | 矢口家 平塚店 | ・介一系最高峰!(マーコ) ・矢口家創業当時の味を堪能できる店(千葉) |
| 4位 | ― | 壱六家 磯子本店 | ・壱系総本山!(マーコ) ・ここでは必ずライスを注文しないと損!(千葉) |
| 5位 | ― | 壱八家 | ・This is マイルド!(マーコ) ・どっしりしているけど、どこかマイルド(千葉) |
| 6位 | ― | めんりゅう | ・介一家イズムを引き継ぐライトスープ!(マーコ) ・ホスピタリティが最高!(千葉) |
| 7位 | ― | 介一家 うりゅう | ・介一系のお手本のようなライト家系!(マーコ) ・毎日でも食べられるくらいあっさり家系(千葉) |
| 8位 | ― | 甲子家 | ・まさに寿々喜家のライトバージョン!(マーコ) ・あっさり目だけどしょう油ガツン!(千葉) |
| 9位 | ― | 六角家 | ・歴史食いの代表格!(マーコ) ・こってり好きにはたまらん!(千葉) |
| 10位 | ― | 四号家 | ・確かな六角家イズムを引き継ぐ一杯!(マーコ) ・チー油の甘味と濃厚とんこつが際立つ(千葉) |
いままで食べてきた家系オススメランキングはこのとおり
8回目の今日に至るまで、取材先で数々の家系ラーメンを食べていく中で、1点疑問に思ったことがある・・・それは「壱六家」の味だ。マーコ氏いわく、「壱六家」といえば乳白色かつクリーミーで濃厚なスープが特徴だった。
だが、現在はしょう油色が濃く、その味が際立っており、創業当時のクリーミーな味が“幻の味”となってしまったという。これは家系マニアの間では有名な話なのだとか。

現在の総本山・壱六家のラーメン。創業当時の味とは異なるらしい?
そんなある日、家系プロジェクト本部に、“壱六家の創業当時の味が食べられる店がまだ現存する! という驚天動地の情報が入ってきた。マーコ氏が独自に手に入れた情報によると、なにやら横浜市内に3つの候補店があるらしい! そこで今回は創業当時の壱六家の味を追うべく調査を開始した。

興奮気味のマーコ氏。はたして壱六家創業当時の味は見つかるのか!?
今回も店の歴史を紐解きながら、味の評論をお届けするとともに、訪れた店の情報価値を「ネタ度」として5段階評価として採点し、調査対象店舗は、横浜市内に点在する家系ラーメン店150店舗から支店を除き、本店のみを対象とした、約130店舗とする。
また、記事の最後では今回取材した店を含めたランキング表を発表していく。はたしてランキングの入れ替えはあるのだろうか? 最後まで目が離せない!
新たな家系ラーメンの息吹!? 家系の一大勢力「綱島商店」
まず最初に向かったのは東横線綱島駅の改札を降りてすぐのところに立地する「綱島商店」。なんでも、最近家系ラーメン店の中でもっとも人気急上昇である「町田商店」系列の横浜初上陸店なのだとか。
なお、取材に同行してくれたのは家系マイスター・マーコ氏とみずから好んでラーメンは食べないという家系初心者の編集部・長谷川の2名。

ジャン! まずは店の前で記念撮影

街角スナップ風にポーズをとる長谷川
まずは綱島商店の藤井誠二店長に同店の歴史から話を伺うことに。
綱島商店が誕生したのは2012(平成24)年1月7日。壱六家から独立した東京都町田市にある「町田商店」が横浜に初出店した店舗なのだとか。藤井店長はもともと某家系店で修業をしていたが、知り合いをとおして、約3年前に「町田商店」の暖簾(のれん)をくぐったそう。

ポーズを決めてくれた藤井店長
27歳でラーメンの世界に入るという、ラーメン業界においては少し遅めのスタートではあったが、寝る間を惜しんで自らのラーメンの味を追求した結果、約3年でこの店の店長の座を獲得。
活気のある店内は昼時を過ぎても、ひっきりなしに客が訪れていることから、その人気の高さも頷ける。

活気のある店内
ではその人気のラーメンのお味を実際に体験してみることに? そして壱六家創業当時の味を同店で味わえるのだろうか?また、長谷川の反応はどうだろうか?

ラーメン(650円)とライス(無料)。使用している麺は大橋製麺なのだそう

マーコ氏にレクチャーを受ける長谷川

おそるおそる食べてみる

うそ! 美味しい!
家系初心者の長谷川もびっくりのそのお味! 壱系のクリーミーさを失わずに、さらに進化させているそのお味はまさに見事! 次はライスの美味しい食べ方を教授してもらった。

ブラックペッパーと豆板醤とニンニクをライスにのせて・・・

のりで巻いて食べる!

!!!
ライスの食べ方に感動する長谷川! だがその横でマーコ氏の顔がどうも浮かない・・・。
どうしたんですか? とたずねたところ、「壱六家創立時の味とは少し異なるようです」とのこと。だが、同店のハイレベルな味には十分満足したらしく、スープを最後まで完飲していた。ではお待ちかねの結果発表!
>家系マイスター・マーコ氏
壱系のクリーミー感を発揮しながらも、しっかりしょう油感もある、壱系の進化版という一杯である。まさに、文句の付けどころのないラーメンの典型的な例だ。
>編集部・千葉
“魂の特濃スープ”の謳(うた)い文句は伊達じゃないですね。こってりしていて、クリーミーかつ濃厚。そしてガツン! としょう油が効いているため、中毒性は高し!
>編集部・長谷川(番外編)
「美味しかった」の一言! 家系マニアだけでなく、私のような家系初心者の方にもオススメの一杯。家系特有の美味しいライスの食べ方もツボに入りました!
<今回の採点>
ネ タ 度 :☆☆☆★★(星3つ)
既食メニュー:ラーメン(650円)、ライス(無料)

ネギチャーシュー丼(300円)もごま油が効いて美味しかった
見た目のビジュアルに思わずビックリ!「すずき家」
家系ラーメンの美味しさを知った長谷川は「プロジェクト本部(=編集部オフィス)に戻りまーす」ときびすを返して駅に向かっていった。
「あの人はメシ食いに来ただけですか・・・(笑)」と毒づくマーコ氏と次に向かったのは、京急子安駅から徒歩3分のところにある「すずき家」だ。マーコ氏いわく、「ここは(見た目の)ビジュアルが壱系なのですが、いろいろ謎が多い店なんです」とのこと。

すずき家外観
取材の旨を伝えたところ、どうぞどうぞ! と快く応じて下さった。ではさっそく店の経緯から話を伺ってみよう。

コンパクトな厨房は清潔感たっぷり
取材に応じてくれたのは鈴木秀志店長。「すずき家」が誕生したのはいまから2年ほど前の2011(平成23)年4月23日。もともと某有名家系ラーメン店で15年ほど修業を積んで独立し、同店を立ち上げたそうだ。店の由来は店長の名字からとったもの。

取材に対してざっくばらんに答えてくれた鈴木店長
そんな同店の味の特徴を伺ったところ、“クリーミーかつ濃厚なスープ”という。もしかして・・・今度こそ“あの味”に出会えるかもしれない! 浮き足だつその足を抑えながら、ラーメン(650円)を待つことに。

チャーシューはバーナーで炙って香ばしく

求めていた“あの味”が甦るか!?
見た目はマーコ氏の求める壱六家のビジュアルに合致しているような気がするが・・・。さっそくスープをすすってみたところ、マーコ氏の言葉を借りるのであれば「まさにレンゲが止まらん状態に!」というレベル! そんな千葉を横に、またしてもマーコ氏の顔はまたもや冴えない・・・どうやらここも違ったようだ。
しかし、いままで食べてきた中で最も近づいているというマーコ氏に鈴木店長から一言アドバイスが。「うちのラーメンはけっこう濃厚なので、(無料トッピングの)タマネギを入れるとサッパリして食べられますよ」とのこと。

無料トッピングタマネギを入れると驚きのサッパリ具合に!

ウキウキしながらタマネギをIN
>家系マイスター・マーコ氏
壱系らしいビジュアルは健在だが、某有名家系ラーメン店をはるかに凌駕するしょう油フックおよびチー油量は驚愕である。家系全体で見ても、ここまでのストロング系は余りお目にかかれないであろう。
[マーコ用語]フック・・・味の強さ、ストロング系・・・味のこってり感
>編集部・千葉
こってり好きにはたまらないでしょう! 見た目はクリーミーだけど、しょう油がガッツリ効いているので、中毒性は強いと思う。あと、このラーメンはライス必須ですね。
<今回の採点>ネ タ 度 :☆☆☆★★(星3つ)
既食メニュー:ラーメン(650円)
最後の最後にどんでん返しなるか!?元壱六家・瀬谷店の「らっち家」
最後に向かったのは相鉄線瀬谷駅から徒歩20分にある「らっち家」。重い足取りで歩を進めるが、マーコ氏は口を開こうとしない。きっと予想が外れてショックなのだろう。

店の前で考え中のマーコ氏。ちょっとふてくされ気味
ここになければ、壱六家創業当時の味に出会えるのはもう諦めるしかない・・・。そう思いながら店のドアを開け、店主に取材の旨を伝えたところ、快諾してくれた。

急な取材にもかかわらず笑顔で対応してくれた中村店長
実はこの「らっち家」とは元「壱六家瀬谷店」なのだとか。今から12年前の2002(平成14)年に壱六家の3号店として瀬谷にオープン。もともと磯子本店で4年ほど修業を積んだ中村店長が瀬谷店の店長として厨房に立つこととなった。
だが、以前から自分の店を持ちたいと思っていた中村店長に転機が訪れる。自分の夢を追うべく、壱六家のオーナーに独立したい旨を伝えたところ、快く応じてくれたそうだ。

どこか心が落ち着く店内
そこで「壱六家瀬谷店」を引き取り、2012(平成24)年9月9日、晴れて「らっち家」として新たなスタートを切ることになった。店名の由来は、中村店長のニックネームである「(なかむ)らっち」からとったのだそう。

厚木基地が近いという土地柄、外人の方の来店も多いために券売機には英語表示も
では同店の味の特徴はどうなのだろうか。ズバリたずねたところ、「壱六家でオーナーや当時の店長から学んだ、その味が食べられることかな」とのこと。まさかここで真の「創業当時の味」に再会することができるのか!? 困惑した表情で見つめ合うマーコ氏と編集部・千葉の前にラーメン(650円)がそろりと置かれた。

乳白色のこのビジュアル・・・これはまさか!?
マーコ氏が恐る恐る一口スープをすすり、そっと目を閉じる。店内は静寂に包まれ、まるでここだけ時間が止まっているかのよう。やっぱりここも違ったか・・・そう諦めかけた時、マーコ氏から驚くべき言葉が発せられた。
「・・・これですよ。これこそが私が求めて『壱六家』創業当時の味です! しかもそれだけではない。しょう油味が際立っており、本来の壱六家の味を残しつつもさらに進化させた味といっても過言ではないでしょう!」

使用している麺は壱系のシンボルのひとつでもある「長多屋製麺」
中村店長いわく、独立した際にカシラ(豚の頭)をベースに自分の好みであったこの味にしたのだという。
そんな「らっち家」が提供するオリジナルメニューはテーブル上にある秘伝の「らっちソース(無料)」に「旨めし(100円)」。

半ライス(左/100円)に、ちょっぴりピリ辛で風味のある「らっちソース」

旨めし(100円)はまぜまぜしたあと、油でひたしたノリで巻いて召しあがれ
>家系マイスター・マーコ氏
まさに壱系らしいクリーミーなスープに、しょう油もガツンと効いた壱系の進化バージョンである。また、本家が味をシフトしただけに、この古き良き壱六家スープは希少価値が高すぎる!
>編集部・千葉
壱六家創立時の味が食べられたことにただただ感動。しょう油の効いたクリーミースープはたしかにクセになる味。のりとライスに思わず手を出したくなる逸品!

らっちソースをノリノリでかけていた
<今回の採点>ネ タ 度 :☆☆☆☆★(星4つ)
既食メニュー:ラーメン(650円)、旨めし(100円)、ライス(小/100円)
今週のランキング結果は!?
今回3店舗を実食した結果、そのランキングを発表する。
はたしていったいどんな順位となるのか!?
| 順位 | 店名 | オススメポイント | |
| 1位 | ― | 寿々喜家 | ・全てがパーフェクト!(マーコ) ・味のバランスが最高!(千葉) |
| 2位 | 初 | 綱島商店 | ・壱系の進化バージョン!(マーコ) ・特濃スープは伊達じゃない!(千葉) |
| 3位 | ↓ | 近藤家 | ・吉村家創業当時の味!(マーコ) ・家系の歴史が味わえる一杯!(千葉) |
| 4位 | 初 | すずき家 | ・超ストロング家系!(マーコ) ・久々に衝撃を受けた味。ライスが欲しい(千葉) |
| 5位 | 初 | らっち家 | ・壱六家創業当時の一杯っ!(マーコ) ・幻の味に出会えてただただ感動(千葉) |
| 6位 | ― | 矢口家 平塚店 | ・介一系最高峰!(マーコ) ・矢口家創業当時の味を堪能できる店(千葉) |
| 7位 | ― | 壱六家 磯子本店 | ・壱系総本山!(マーコ) ・ここでは必ずライスを注文しないと損!(千葉) |
| 8位 | ― | 壱八家 | ・This is マイルド!(マーコ) ・どっしりしているけど、どこかマイルド(千葉) |
| 9位 | ― | めんりゅう | ・介一家イズムを引き継ぐライトスープ!(マーコ) ・ホスピタリティが最高!(千葉) |
| 10位 | ― | 介一家 うりゅう | ・介一系のお手本のようなライト家系!(マーコ) ・毎日でも食べられるくらいあっさり家系(千葉) |
なんと綱島商店、すずき家、らっち家が初登場にもかかわらず堂々のランクイン!
取材を終えて
今回は、「壱六家」創業の味を追い求めて3店舗を調査してきたが、どの店舗もクオリティが高く、人気店というのも非常にうなずける1杯を提供している。人によって味覚は異なるのは重々承知だが、ぜひこの3店舗は実際に足を運んだうえで、その味をじっくり吟味してほしい。
次回は見た目がインパクト大! な家系ラーメン店を3店舗紹介する予定だ。はたしてどんな店舗が登場するのか? そして驚愕の事実がまた明らかに!? こうご期待!!
―次回に続く―
次回の更新日は11月23日(土)を予定しています。お楽しみに!
<取材協力>
神奈川のラーメンを盛り上げよう!会
http://kanagawa-ramen.net/
マーコの辛口ラーメンチェック
http://ma-ko64.com/