「家系ラーメン全店制覇への道」変り種ラーメンが看板メニューの家系ラーメン店、「濱壱家」「中島家」の2店舗をご紹介!
横浜市内の「家系ラーメン」店を全店調査するというこの企画。前回はつけ麺の提供もある家系ラーメン店、「極楽汁麺らすた」「魂心家」「味山河」の3店舗を紹介した。

家系ラーメンのスープをアレンジしたつけ麺 (写真:魂心家)
「家系ラーメン全店制覇への道・其の拾四」からスタートし、話題沸騰中! 驚異的なアクセス数を記録し、一躍人気企画と化したマーコ氏による辛口★評価。
これまで9店舗の家系ラーメンをジャッジしてきたが、より分かりやすく皆さまにお伝えするため、マーコ氏をはじめ、編集部では慎重に議論を重ねてきた。

真剣に議論を重ねるマーコ氏と編集長・吉田
今回は、その議論をもとに取材した2店舗をお届けする。

中島家の店主号泣! いったい何が起きたのか!?
家系ラーメンといえば、「のり3枚、ほうれん草、チャーシューが乗ったとんこつしょう油味」が定番スタイル。どの家系ラーメン店においても看板メニューであり、それ以外の提供がない店舗も数多く存在する。
しかし、そこにある物をプラスした家系ラーメンが、定番を覆して看板メニューになっている家系ラーメン店があるという!
そこで今回は、「ある物」の乗ったラーメンが看板メニューになっている店舗を紹介することにする。

今日もがつんと辛口でいきますよ~
よくあるメニューと侮るなかれ
最初に向かったのは、相鉄線星川駅から徒歩5分、国道16号線沿いにある「濱壱家」。3代目店長を務めているという吉村忠士(よしむらただし)さんにお話を伺った。

千家! ではなく濱壱家!
初代店長が南区前里町にある「千家・本店」で修行を積み、総合オーナーである森川幸治(もりかわこうじ)氏監修の下、千家の姉妹店として1999(平成11)年にオープンした同店。
2号店、3号店と店舗拡大を図ったことにより初代店長は1年で移動してしまったそうだが、その後は2代目店長が切り盛りしていたという(現在は元住吉店の店長)。
そして今年、2014(平成26)年から、吉村さんが3代目店長として店を任されることになったそうだ。

中華一筋から転身を遂げた3代目店長の吉村さん
スープ、麺はもちろんのこと、しょう油やメニューに至るまで、あらゆるところで千家を忠実に再現しているという。

使用麺も千家と同じ「大橋製麺」の中太ストレート
そんな同店の看板メニューとはいったい何なのか!? さっそく用意してもらうことに・・・。
待つこと5分、着丼と同時に思わず言葉を失う。なんだ、なんなんだこれはー!

思わず発狂! ドカ盛りねぎ!! の「ネギラーメン(900円)」

ツウの間ではこんな食べ方も人気!
数あるネギラーメンの中でも、ここまで惜しみなく盛る店舗はそうそうない。看板メニューになるのもうなずけるというもの。
抑えきれない興奮のまま箸を手にしたチバコロだが、マーコ氏の一言で一転、奈落の底へと落とされることに・・・。

「弟子入りテストvol.2を始めます」
ここでいきなりテストとは・・・。不意打ちに戸惑うチバコロを尻目に出された問題は、こちら。

答えはネギラーメンの写真の中に・・・
ネギは当たり前! 定番のトッピングを除けば味玉もある。次なるチャーシューは・・・見当たらない。
よし、答えは3番だ!!

果たして結果は!?

残念! チャーシューはネギの下に敷いてありました~
選択肢の最後まで目を通すべきであった。2回目にして痛恨のミス!
・・・ん? だとすると、ゴマが入っているということ?

よく見てください
そう、ゴマが浮くスープは千家ならではの特徴。俗に「ゴマ系」と呼ばれるスープなのだ!
千家の姉妹店である同店も、もちろんゴマ系のスープ。

この段階からゴマを投入
そのスープは背骨や鶏ガラをじっくりと煮込み、その日の味の出方を見ながら、変わらぬ味を守り抜けるよう注意を払っているという。

「オープンから変わらない味」と常連客にも定評があるそう

無数のゴマが浮く「ラーメン(700円)」

同店第2の名物、「ラーメン+カレーセット(950円)」

どのラーメンともセットが可能!
お待ちかね、あの人気コーナーの時間がやってきた! ラーメンコンサルタントとして活躍するマーコ氏に、好みでなく現代消費者の需要にマッチした味かどうか、もう1度食べたくさせる中毒性はどれくらいかなどといった、「商売的な視点からどうか?」という観点で5段階評価をボードで表してもらい、その場で発表してもらうというこの企画。
なお、「消費者の需要にマッチした味」とは、“家系というカテゴリーで言えば、町田商店などの台頭により濃厚化が進んだ時代背景から“豚骨濃度が高く、且つ、スープに負けない醤油感があるテイスト”が今最も需要が高い味”のことである。
また、今回は変り種ラーメンが看板メニューのため、特別にそちらの味を★で表すこととする。

大量のネギは吉と出るのか凶と出るのか!?

遠めに眺める店主

予想は★3つ
「それでは、発表します」
マーコ氏が静かに立ち上がる・・・。
結果はいかに!?

★3.5を獲得!!

思わず顔がほころぶ店長
日本各地のラーメン店の売上げを軒並み上げまくり、日本で5本の指に入る敏腕ラーメンコンサルタントであるマーコ氏。
商品力はもちろん、外観力、店主力など店の総合力を上げるため店主に告げたアドバイスの一部を「マーコの本気コンサルチェック」として紹介しよう。
~マーコの本気コンサルチェック~
1. そろそろ看板(ほろ)を変えるということなので、「濃厚」という言葉は売れるキーワードのため、「とんこつラーメン」ではなく「濃厚とんこつラーメン」と変えるべし。
2. 商品の魅力があるにもかかわらず、まったくアピールしていないため、ネギラーメンの「こだわり」や「旨い食べ方」のPOPを各席に設置するべし。
ネギラーメンのネギは、辛味なしから激辛まで好みで選ぶことができるそうだ。

この香りが空腹感を刺激する!
同店では、ぜひとも「ネギラーメン!」と、通のオーダーを楽しんでほしい。
~マーコ&チバコロの総評~
マーコ氏:スープはこの系統ならでの「しょっぱフック」がしっかり効いており、まさにフックの原点と言える味わいである。
また、ネギラーメンに関しては、辛味ネギをスープと合わせことでさらにフック度がラーメン以上に上がり、これこそ たぎらせてくれる一杯だ。
チバコロ:ベースのスープはしょっぱいと感じる味ながらもその濃さが後を引き、「もう一口・・・」とまさにレンゲが止まらない状態に!
ネギラーメンは、ネギの辛味が溶け込むことでさらにコクと深みが出る一杯。
〇〇ラーメンを生み出した店主の目に涙!?
大量の辛味ネギを思い起こして、うっとりしながら向かった先は、相鉄線天王町駅から横浜方面へ徒歩で15分ほどのところにある「中島家」。

「IEK(イエケー)48総選挙」では堂々の3位にランクイン

家系ラーメン店には珍しく、食券機がない
和食の料理人として12年の経歴を持つ店主の中島正昭(なかじままさあき)さん。事故による大怪我で当時の職場を離れざるを得なかったことが、家系ラーメン店ののれんをくぐる転機となったそうだ。

和食界でも一流の腕を持つ、店主の中島さん
回復後、和食料理人時代に培った知識と味覚を元に、友人と二人で当時流行り始めていた家系ラーメン店の開業を決意。試行錯誤をくり返しながらも納得の一杯を完成させ、1991(平成3)年、東京都大田区に「こうや」をオープンさせた。
その後、それぞれに店舗を構えようと中島さんが「こうや」を離れ、1995(平成7)年に「中島家」をオープン。フランチャイズなどに思われないよう、あえて店名も変更したそうだ。

スープへの強いこだわりは今も変らない
店主のアイディアから生まれた看板メニューがこれだ!

これが元祖の味「キャベツラーメン(750円)」

横浜で食せるとは、感激!
スープの味を邪魔しないようにと、キャベツにはあえて味を付けていないそう。
そのスープのガラは豚のみを使用し、産地や年齢も指定。手元に届いてからさらに熟成させ、味に厚みを持たせているという徹底ぶり。麺も「酒井製麺」と決め、卸してもらえるまで何度も足を運んで交渉したそうだ。

今では吉村家に卸していたものと同じ麺を使用している
細部にまでこだわり、店主が自信を持って提供している一杯が、こちら。

並々ならぬ思いが「ラーメン(600円)」に注がれている
そしていよいよ、ジャッジの時が来た。

自信をみなぎらせ、厳しい視線でマーコ氏を見る店主

店外へ出て★をぬるマーコ氏
「その日のガラで味の出方は違う。一概に評価はできない」とのことだったが、「今日の味」としての評価なら受けようと、予想はせず店主も外へ・・・。
「今日の味」に対して、マーコ氏が評価を下す!

評価をみた瞬間、店主の顔色が急変・・・

突然号泣!?
まさか、またも鬼の評価が下ったのだろうか!?

店主の希望には届かなかったのが涙の理由。まずまずの高評価だ!
~マーコの本気コンサルチェック~
1. 「ビジュアルは美味しさの8割以上」という言葉があるように、現在使用されている器は商品コンセプトと異なるため、
家系最強ビジュアル力を発揮する黒い器に変えるべし。
2. 「キャベツラーメン」というオンリーワン的な商品があるにもかかわらず、メニュー表などでオススメ感やこだわりがまったくアピールされておらず、ある種宝の持ち腐れ状態のため、店に個性やブランド力を付けるためにアピってアピってアピりまくるべし。
巷では「こうやで修行を積んだ」との噂も流れる店主だが、実は立ち上げの張本人だったという衝撃の事実が判明! 当時の裏話もたくさん聞かせていただいた。
ちなみに、同店で提供されている「レタスラーメン(750円)」は、「キャベツラーメン」とともに候補にあがったが実現しなかった、幻のラーメンだそう。

★評価ボードをすぐに飾ってくれる店主
食券機がないのはお客とのコミュニケーションのため。ポロシャツは家系特有の威圧感を与えないためと、接客に対するこだわりも強い。元和食料理人の目線ならではの、配慮なのかもしれない。
~マーコ&チバコロの総評~
マーコ:今とはなっては珍しくないが、10年以上前からこのようなボディーブローが効いたスープを提供されていたことに驚愕の一言である。しかしながら、チー油感が弱い関係上、家系らしさが少々弱いため、あと10cc足しても良いであろう。
また、キャベツラーメンに関しても、「元祖の味」なのでこれはこれなのかもしれないが、スープ自体がこってりしているため、伊豆の「吉田家」のように生のキャベツを使用したほうがバランス力が上がる。
チバコロ:「しょう油とんこつではなく、とんこつしょう油」という店主のこだわり通り、とんこつならではの味わいがしっかりと出ているラーメン。キャベツラーメンはキャベツに味付けがないのも正解! の美味しさだが、茹でることでキャベツの歯ごたえが弱まり、麺と一体化してしまうのが少し残念。
取材を終えて
通常の家系ラーメンではなく、「ある物」の載った家系ラーメンが看板メニューの2店舗を紹介してきた。
スープと合わさることで本来の味を際立たせるその融合は、看板メニューに成るべくして成ったものばかりであった。
― 全店制覇まで 残り50店舗 ―
※上記軒数は現段階で調査できた店舗数となります。開店・閉店・発見により軒数が変動する場合があります。
※★評価は2店舗とも取材日時点での評価となります。
※★評価は事前に店主の許可をいただいたうえで行っております。
※★評価(評価結果は除く)、弟子入りテストや流れに伴うストーリー性は全てプロジェクト本部(編集部)からの指示によるものです。マーコ氏、チバコロ氏の判断で行われているものではありません。
―次回に続く―
取材協力
神奈川のラーメンを盛り上げよう!会
http://kanagawa-ramen.net/
マーコの辛口ラーメンチェック
http://ma-ko64.com/
「家系全店制覇への道」特設ページ